変形敷地のローコスト事務所併用住宅

やっぱり裸足が気持ちいい

見川の家 茨城県水戸市 H邸 2002

さまざまな条件を上手に生かす

 建築石材店を営むご夫婦と3人のお子さんの5人家族のすまいです。要望はとにかく予算を低く抑えたい、事務所を併設し家族と来客用の駐車スペースを確保したい。そして子供たちのために、それぞれの個室を作りたいということです。
 およそ67坪の敷地は道路側が45°になった台形をしています。離れの事務所を道路に合わせ傾けることで駐車スペースを確保、変形敷地を有効に利用しました。
 分譲地は住宅が近隣しているので、リビング、ダイニングなどの生活空間を2階にし、日当りや風通し、プライバシーを確保。リビングには仕事関係のお客様を招くことが多いので、家族の食事の時間がバラバラで雑多になりがちなダイニングが見えないように、キッチンで分けました。また、キッチンは廊下代わりにもなり、家族は来客時も気兼ねなく家の中を移動できます。
 1階は客間の和室と子供3人の部屋。子供部屋は4畳と小さいながらも個室を確保。収納は部屋には設けず、廊下を挟んだ反対側にクローゼットを作りました。クローゼットの上には小窓を設け、子供部屋から入った空気を通す工夫をしています。和室は今はまだ小さい子供たちの遊び部屋になっています。

素材の特徴を生かしてコストを抑える

 コストを抑えるために、あえて天井を張りません。杉の丸太の梁や屋根裏の杉板を見せることで、広々としたナチュラルな空間になりました。棚や扉などの家具は全て造作です。照明は業務用のもを大工さんに頼んでひと工夫。キリの無垢材を使用したフローリングは、素材の柔らかさと温もりが足の裏から伝わってきます。木材などの素材の質を落とさず、必要な機能を満たした上でローコストを実現。素材の特徴を生かした快適なすまいになりました。

DATA

敷地面積222.34 ㎡(67.26坪)
建築面積94.70 ㎡(28.65坪)
延床面積147.03 ㎡(44.48坪)
構  造木造軸組工法 2階建
屋  根ガルバニウム鋼板
外  壁 金属サイディング 一部、ヒノキ板貼り
床  材桐無垢板貼り
壁  材ビニルクロス貼り
天  井